投資信託の商品は覚えなくていい

120万円のつみたて投資枠に関しては、現行のつみたてNISAと同様、一定の投資信託に積み立て投資のみをすることができます。一方、年間に240万円の成長投資枠では、上場株式や幅広い投資信託へ、積み立て買い付けだけでなく、通常の買い付けもすることができます。

今この説明を聞いて、「なんだか難しそうだな」と思った方もいるかと思います。しかし、この辺については、そこまで詳しく覚えておく必要はありません。理由を説明します。

2023年7月、成長投資枠の中で投資できる投資信託の商品リストが、1000近く発表されました。

私はそのリストに目を通しましたが、はっきり言って、ほとんど金融機関が私たちに販売したい商品でした。つまり、手数料が高く、金融機関にとって利益になっても、中長期的に我々にとって利益になる可能性が低いと考えられる商品だったのです。

だから、1人ずつ、トータルで1800万円の非課税枠をもらえたのだ、と覚えておくだけでも良いと、私はクライアントにアドバイスしています。

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NISAで「億り人」も夢じゃない

絶対に覚えておくべきなのは、つみたて投資枠だけで、非課税保有限度額(1800万円)を使いきることも、実は可能だからです。この新しい非課税枠で私たちが買うべき商品は、本稿で伝えてきたように、広く分散され、低コストで、これからも成長の見込まれる投資信託だけです。

新NISAは非常に優れた制度ですが、成長投資枠の罠にははまらずに、メリットだけをしっかり享受していくようにしましょう。

また、これまでは非課税期間も積み立て型は20年と限られていましたが、撤廃されます。生涯に積み立てられる枠は1800万円と決まっていますが、普通に考えれば十分な枠です。

例えば、毎月6万円ずつ25年積み立てると1800万円になります。利回りを7%で想定すると、元本と運用収益を合わせて約4700万円になります。つまり、3000万円近い利子がついて税金もかかりません。老後のお金を気にしないで大丈夫な額が自然と貯まります。

もっと極端な例では、若くして相続などで1800万円を手にしたとします。これを毎月30万円、年360万円を5年にわけて積み立てたとします。そうすると、30年も経たずに1億円を超えます。いつのまにか「億り人」になっているわけです。