20年間同じことを繰り返していた

「一番言いたいことは、ジャニーだけじゃなくてメリーにも考えてもらいたいことは、20年間まだ同じことを繰り返してるってこと。僕はそれを言いたい。後からデビューした連中も知ってますけど、同じことなんですよね。たのきんトリオとか、光GENJIとか、同じことが繰り返されてると絶対思う。僕も本を出しまして、ジャニーズ事務所出身の連中がつらい思いをして、僕のところに連絡して、同じつらい目に遭ってるんですよね。彼らたちが偉いと思うのは、僕は拒否したらスターになれないと、そういう信念がありましたから、我慢しました。だけど彼たちは、それは嫌だって蹴っ飛ばして(事務所から)出て行った」

深夜放送ではピー音で消された

『光GENJIへ』は短期間で35万部というベストセラーになった。

発売当時は居酒屋にいると、隣の席で会社帰りの男たちが北公次とジャニーズ事務所の話をしだしたり、高校の授業の休み時間に、生徒たちがジャニーズ事務所の所属タレントの心配をしたり、キャバクラの席で隣に座ったホステスがいきなりジャニーズ事務所とジャニー喜多川社長の噂をしだしたり、本の影響は大きかった。

その一方で、マスコミはごく一部をのぞき、沈黙した。

地上波は特に露骨だった。

版元や村西とおるとサンドバッグ軍団が『光GENJIへ』の存在をアピールしても、まったく動かなかった。

苦笑いしたり、なかには村西とおるに対して精神状態のバランスが崩れたときをさす放送禁止用語をもって、揶揄した。

ある民放の深夜放送で音楽番組を観ていたら、最近観たライブの話になった。

すると、ピー音が流れた。

写真=iStock.com/Mercedes Rancaño Otero
深夜放送ではピー音で消された(※写真はイメージです)

話の前後から推理するに、渋谷エッグマンでおこなわれた北公次の復活ライブの話で、ピー音で消された言葉は“北公次”としか考えられなかった。