このまま民主党政権が失敗に終わるなら、最大の要因は「非自民党政治」の旗だけで集まったごった煮政党、労働組合依存と自民党公認漏れ集団の選挙互助会の党という体質を克服できていなかった点にあるといっていい。

国民は3年前、二大政党政治での本格的政権交代という初の実験で議会制民主主義の醍醐味を味わえると期待した。だが、理念や路線が曖昧で、政策も体質も異にする政治家が同居する2つの政党の間で政権交代しても議会制民主主義の醍醐味は味わえないと思い知らされた。

第三極を目指す新興勢力が揃って価値観や理念、基本方針などの共有を強調するのは、「ごった煮政党政治」の無力が政治劣化の主因と見ているからだろう。

とはいえ、一方で純化路線の政党の問題点と限界を指摘する声も根強い。民主党と自民党による二大政党政治の終焉が現実となるとすれば、そのとき、第三極を担う新興勢力の台頭は、日本の新しい民主政治の夜明けとなるのか、それとも議会制民主主義の死に至る道なのか。次期総選挙がそこを見極める重要な分岐点となるのは間違いない。

(文中敬称略)

※すべて雑誌掲載当時

(尾崎三朗=撮影 PANA=写真)
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