週末の1日は事務作業に充て、後れをとらない

インベストメントバンカーは、週末も少なくとも1日くらいは仕事をしている人が多い。月曜から金曜まで営業で駆けずり回っていると、金曜の夕方にはやるべき事務が山積状態となり、また取引先や担当エリアに関する知識も吸収しなくてはならない。

筆者も週末はたいてい出社し、出社しないときは家で仕事の資料を読んでいた(当時、案件が多かったトルコの情勢をフォローするため「Turkish Daily News」という英字日刊紙を購読しており、毎日トルコから航空便で送られてくるので、出張で留守にするとたまって、読むのが大変だった)。

かつての国際金融仲間で、後にメガバンクの頭取まで上り詰めた人と、2012年8月にたまたま2人とも同じ時期にサンフランシスコに出張していたので、オムニサンフランシスコ(ホテル)で朝食を共にしたが、当時常務だった彼も「週末の一日は出社して静かなオフィスで仕事を片付け、もう一日は運動をしている」と話していた(たぶん彼の銀行も働き方改革をしているだろうから、あえて実名は出さないが)。

写真=筆者提供
トルコ・ガランティ銀行向け国際協調融資調印式後のランチでの筆者(左から2人目)

人より2日多く働くだけで2~3倍の差がつく

先日、マーケティングを仕事にしている人が「土日関係なく365日稼働しているチームと一緒に働いていると、1年あたりの進捗・成長率が他の企業と比べて圧倒的に良いと分かる。単純計算だと5分の7=1.4倍だが、成果は複利で効くし、市場で一歩抜け出すと選ばれる確率もグンと上がるので、週7稼働で2~3倍の差をつけてる感じ」とツイートしているのを見かけ、うなずかされた。結局はやった者が勝つということだ。

10年ほど前までユニクロの上級幹部だった人を取材したときも「週末に店長やSV(スーパーバイザー)から300~400通の意見や要望のメールが送られてくる。月曜の朝3時頃までかかってそれを処理し、自分なりの考え方を持たないと、柳井社長も出席する月曜日の部長会議で議論できない」と聞かされた。これなども365日稼働しているチームの一例である。