録音、録画への意識が気になる

「オンラインでの打ち合わせマナー講座」の内容は、ごく基本的なことが中心になります。時間を厳守すること、姿勢、話し方、打ち合わせの準備に関することなどです。

実際のところ、対面での打ち合わせのマナー講座と、大きく変わることはありません。

しかしながら、オンラインでの業務に関連したことで、私個人も気になることに、若手人材の「録音、録画に関する意識の持ち方」があります。

オンラインの打ち合わせは、簡単に録画でき、当日参加していない人のために、録画されていることも多いわけです。

そのためパンデミックの期間中は、録画(あるいは録音)を当然してもよいことのように扱っていた職場も多いのですが、そのために「録画、録音は行ってよいもの」と勘違いしている若手の人材が多いように見受けられます。

本来そうしたことは、映像に映る人たちに、録画する理由や録画後の管理の仕方などを説明した上で、事前に許可を得て行うものですが、平気で無許可で行ってしまう。その後の管理のことなどは、何も考えていないように見えることがあります。

あまりに意識が低く思えるのですが、なぜかそれを平然と行う人がいるのです。

それに対して、「ちょっと待ってください。これはなぜ録画が必要なのですか」と尋ねるのも、はばかられる雰囲気のことも多いのです。

勝手に録音や録画をすることは、たいへんに失礼なことです。

良識のある人なら、パンデミックの間でも無許可でやっていたことではありません。しかし、近年の混乱で、そんな行為が間違っていないことのように見えていた面がありました。

面倒だからと説明を割愛したり、許可など求めない人も存在したのです。

そんな悪しき習慣を継続している。これはパンデミック後にビジネスマナーの質が低下したと感じる一つの例です。

写真=iStock.com/izusek
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ビジネスメールの書き方のマナーが直らない

パンデミックの期間中に乱れ、現在も直っていないことには、他にもたとえば、ビジネスメールの書き方のマナーがあります。

2020年以降に入社した社員の中には、上司や先輩から指導を受けていなかったことが原因で、ビジネスメールの使い方に不適切な点の目立つ人が多いように見えます。

長い間、マナーを身につけることなく、業務に携わってしまったことから、少し指導すれば大丈夫というレベルではなく、一から学び直さなくては改善が難しいと思えるケースもあります。