水分不足が熟睡を妨げる
夜中に目が覚める主な原因のひとつが、軽度の脱水です。喉の渇きに気づいたり、水分を求めて身体が動いたりすることがあります。おそらく、それが目覚めた理由だとは気づかない人も多いことでしょう。
英国の「ナチュラル・ハイドレーション・カウンシル」によると、女性は1日に約2リットル、男性は約2.5リットルの水分を必要とします。水を飲む以外にも、キュウリ、スイカ、レタス、セロリ、大根、トマト、ピーマンといった野菜や、ヨーグルトやスープなどから水分を摂取することができます。
1日に2リットルの水を飲むのが辛い人は、ミントやレモンやベリー類を入れて、風味をつけてみましょう。
大きめのウォーターボトルを購入して、200ミリリットル飲むごとに印をつけて時刻を書き込み、定期的に水分補給できていることを確認するのもおすすめの方法です。
ビタミンD不足は不眠につながる
ビタミンDは健康な骨を維持するのに不可欠な栄養素です。しかし、英国では5人に1人が不足していると推定されています。屋内で過ごす時間が増え、紫外線の悪影響への不安から日光を避ける傾向にある日本人も、ビタミンD不足が指摘されています。
ある研究から、このビタミンD不足が睡眠不足につながることがわかりました。年配の男性を対象とした研究で、ビタミンDが少ない人は寝つきが悪く、中途覚醒があって安眠できないという結果が得られたのです。
学術誌『Nutritional Neuroscience』に掲載された研究では、睡眠障害のある20歳から50歳までの被験者にビタミンDのサプリメントを与えたところ、プラセボを与えられた被験者よりも、睡眠の改善が見られました。
ビタミンDは、日光を浴びることによって皮膚で合成されます。
肌を焼き続けるのはよくないですが、専門家は、1日1回か2回、一度に10分間日焼け止めなしで日光を浴びることを推奨しています。ビタミンD生成に最適な1日の日光照射時間は、住む地域、季節、肌の色によって違うので、国立環境研究所地球環境研究センター(※)に掲載されている観測局ごとの目安を参考にするのもいいでしょう。
食事からもビタミンDは摂れます。しいたけ、しめじなどのきのこ類、鮭やイワシなどの魚、イクラやアン肝、卵黄、牛乳など。食事から摂れないときはサプリメントを利用するのもいいでしょう。
※国立環境研究所 地球環境研究センター「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」