ティータイムを利用して脳をリラックスさせる

脳に休憩時間を与えるのを忘れないための、いい方法があります。

お茶やコーヒーを淹れるたびに、脳のスイッチを切るのです。

日本の茶道は、「今この瞬間」に静けさと幸福を見出すという点において、瞑想めいそうの一種と言えます。同様の儀式を、自分のお茶のカップで行うことができます。

仕事をしながらあわてて飲むのではなく、一連のプロセスすべてに意識を集中してください。携帯電話やタブレットは、手の届かない所へ置きましょう。

水が沸騰する音、立ち上る湯気、茶葉やコーヒーが蒸される香りに、完全に焦点を合わせてください。出来上がったお茶を置いて座ったら、ゆっくりと味わいながら飲みましょう。

甘い? ほろ苦い? 花の香り? フルーティ? 手に持った温かいカップの感触は?

シンプルな日常の行いに没頭することが1種の瞑想になり、疲れを癒して心を鎮め、リラックスに役立ちます。日中にスローダウンすることを自分に気づかせるのはもちろんのこと、夜になってから眠る準備をするときにも、このお茶の瞑想は効果的です。

「ていねいに食べる」が睡眠や健康に与える嬉しい効果

「今、ここ」に集中する心の状態を「マインドフルネス」と言います。マインドフルネスでいられるように脳を訓練することは、眠るときに雑念を追い払うのに役立ちます。

マインドフルネスは、1日の間にくり返し実践することで、どんどん上達していきます。習熟度がアップすると、眠るときにも自然にできるようになります。

マインドフルネスを練習するのにおすすめなのは、食事の時間です。最初は難しく感じるかもしれません。というのも、何かをしながら片手間に食事をしたり、ランチタイムに急いで食べ物を詰め込んだり、夜にテレビを見ながら食べたりする人が多いからです。

食事のときにマインドフルネスを実践できたら、慣れてくれば、リラックスできるだけではなく、食べ物をもっと味わえるようにもなるでしょう。

携帯電話を見えない所に片づけて、テレビの電源を切り、静かに座ってください。最初のひと口を食べる前に、料理の皿を眺めます。

色どりの豊かさに注目し、料理の匂いをかいで、これから食べるものの味を予想します。そして、だ液と味覚が刺激される感覚に浸ります。

食事を始めたら、目を閉じてゆっくりと噛み、さまざまな味や食感をしっかりと味わいます。ぴりっとする、甘い、塩辛い、ナッツの味……などなど。ひと口食べたら箸を置いて、時間をかけて徹底的に噛み、口のなかで混ざり合うさまざまな食材を感じます。

このように集中することで、「今、ここ」にしっかりと意識を向け続けることができます。

さらに嬉しい効果が! 意識してていねいに食べると、満腹感を認識しやすくなるため、食べすぎを防ぐこともできます。