安眠するためのコツは何か。健康と福祉を専門とするジャーナリストのキム・ジョーンズさんは「就寝時に悪いことではなく良いことを考えることで、より早く、より長く眠れることがわかっている。毎晩、羊を教えるのはやめて、今日一日のいいことを声に出して言ってみるといい」という――。

※本稿は、キム・ジョーンズ『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)の一部を再編集したものです。

青いベッドシーツと羊のぬいぐるみ
写真=iStock.com/GummyNinja
※写真はイメージです

「スーパーで特売品を手に入れた」と思いを馳せる

「モンキーマインド」という言葉、聞いたことがありますか? 1日が終わり、ようやく布団にもぐり込んで、疲れを癒す静寂の時間が訪れました。ところが、このまま朝までぐっすり……のつもりが、何だか頭のなかが騒がしい。

「昼間のアレ、どうなったんだっけ?」
「明日、もしうまくいかなかったら、どうしよう……」
「すぐ寝るつもりだったのに、何だか眠れないよ」

穏やかな気持ちで眠りにつきたいときに限って、心をかき乱す厄介な雑念の数々。これこそが、モンキーマインドです。眠りを邪魔する考えや思考を、枝から枝へ大騒ぎで飛び移る猿にたとえてこう呼んでいます。

本稿では、心を鎮めたり気をそらしたりして、静かで平穏な境地へと入っていくコツを紹介しています。モンキーマインドをシャットアウトして、夢のような眠りの時間を手に入れましょう。

まずは、羊を教えるのはやめて、幸運を数えてみませんか?

毎晩、今日一日の「イイコト」を5つ書き留めるか、声に出して言ってみるのです。ほんのちょっとしたことでかまいません。

「オフィスで誰かにお茶を淹れてもらった」
「スーパーで特売品を手に入れた」
「一度も赤信号にあたらなかった」
「お財布に500円玉があった」
「『そのシャツ、いいね』と言われた(うれしかった!)」

……そんなささやかなことでいいんです。

英国とカナダの大学が実施した心理学の研究から、感謝の日記を書いたり、就寝時に悪いことではなく良いことを考えたりすることで、より早く、より長く眠れることがわかっています。

ぜひやってみてください――感謝の気持ちに想いをはせるだけでぐっすり眠れるなんて、素敵な1日のしめくくりになりそうです。