心配事が頭に浮かぶたびに「もっとゆっくり」と呟く

ベッドに入ったときに「心配事の嵐」に襲われたら、とにかく、しゃべってみましょう!

声に出して話すときに使う脳の領域は、心のなかで否定的な思いを反芻するときに使う脳の領域とは異なります。

話すことは、頭のスピードをゆるめるのにも役立ちます。

一方で思考は、物理的に話すよりもはるかに速く流れていくからです。心配事が頭に浮かぶたびに「もっとゆっくり」と言うだけでOKです。その後、悩みに立ち向かうための前向きな考えや思いつく解決策を声に出してください。

バンガー大学が実施した研究で、被験者に書面による指示を与え、黙読するグループと声に出して読むグループに分けました。集中力とパフォーマンスを測定したところ、どちらも指示を声に出して読んだグループのほうが優れていました。

自分の声を聞くことで、状況をコントロールしやすくなるのだと考えられています。

多額の請求書が届いて予算オーバーしないか心配になったときは、こんなふうに声に出して言ってみましょう!

「明日になったら、銀行の残高を調べよう」
「今月の予算リストを書き出してみよう」
「次の数週間ちょっと節約すれば、何とかなるよね」

ちなみに、この戦術は、小声でささやいても同じように効き目があります。大声で宣言して夜中にパートナーを起こしてしまっては、どちらにとっても安眠につながりませんね!

眠る前には考えを排除してはいけない

寝る前に「白いゾウのことを考えてはいけない」と言われたら、白いゾウのことがくり返し頭に浮かんでしまうものですよね?

同じように、寝る前に心配事を抑え込もうとすると、逆効果! 何度も思い出してはストレスを感じることになりかねません。

興味深い研究があります。オックスフォード大学の研究者が被験者に、眠る前に最も頭のなかを支配しそうな「考え」をひとつ選んでもらいました。経済的な不安、進級できなかったらどうしようという心配などです。

その後、被験者はふたつに分けられ、ひとつめのグループは「考えを抑え込むように」と言われ、ふたつめのグループは「リラックスして自由に考えを行き来させるように」と言われました。

……さて、結果はどうなったでしょうか?

考えを抑え込むように言われたグループは、自由に考えたグループに比べて、寝つくまでに時間がかかり、睡眠が中断される回数が多かったのです。

自分の思考をむりやり抑制しようとすると、思考が増大するだけではなく、脳が動揺します。そうすると、脳は「リラックスモード(睡眠)」ではなく、「忙しく作業するモード」になってしまうのです。

ですから、眠る前には考えを排除しようとせず、自由に行き来させるようにしてください。

心配事が浮かんだら、その存在を認めて、落ち着いて心配事にこう話しかけましょう。「頭に浮かんでくれてありがとう。今はあなたに何もしてあげることができないんだ。でも、明日対処するからね」と。

静かな心を保つことで、「警戒することは何もないよ」と脳に伝えることができます。そして「今は問題解決のために何もする必要はないんだよ」とさらに言い聞かせれば、眠りに落ちる可能性がはるかに高くなるのです。