未来を先取りする社内ベンチャーが続々と

現在では、以下のような街や生活にかかわる社会課題を解決し、未来を先取りしようとする6つの事業をはじめ、全部で約20の新ビジネスが「新事業提案制度」から生まれ、デジタル・マーケティングなどを取り入れたスピード感のある活動を展開している。

1.膝栗毛

膝栗毛は、三菱地所が、JTBグループと連携して手がける、デジタルとリアルを組み合わせた「歩き旅」体験のサポート・サービスである。歩き旅を行う前、最中、そして終えた後の情報収集やガイドやコミュニケーションを、ひとつのアプリを通じて提供することができる。このアプリを活用した地域の観光コンテンツの開発やプロデュースを、自治体や商店街や企業などから受託することで、収益化を図っている。

2.WELL ROOM

WELL ROOMは、三菱地所が提供する多言語対応のヘルスケア・サービスである。提携先医療機関とクライアント企業をつなぎ、外国語対応ができる健康診断実施医療機関の予約システムに加え、外国語によるメンタルヘルス相談や産業医相談のサービスなどをオンラインで提供している。日本で暮らす外国人が増える一方で、母国語で相談できる医療機関は限られる。WELL ROOMでは、まずは予防医学の領域から、日本の企業で働く外国人の健康をサポートする事業を開始している。

オフィス家具の引取・販売「エコファニ」の倉庫兼 ショールーム 「池袋Base」の店内(出典=PR TIMES/三菱地所)
3.エコファニ

エコファニは、三菱地所が手掛けるオフィス家具のリユースのための引き取り・販売サービスであり、家具レンタルを手がけるユーユーレンティア株式会社と連携して事業を進めている。三菱地所には、丸の内エリアを中心とした東京駅周辺のテナントの入退去の情報が集まってくるとともに、ビルの建て替えなどで生じる一等地の空き区画を、引き取った家具の置き場としても活用することができる。エコファニは、リユース品に興味はあるが、現物を見て決めたいという顧客の要望に東京駅周辺で応えることができ、家具をセットアップしたオフィスの賃貸などにも対応している。

4.GYYM

GYYMは、三菱地所が提供する都度つど利用型のジムネットワークサービスである。GYYMの利用者は、個別の入会金や月会費などを支払うことなく、好きなときに好きなだけ、GYYMの契約先の300以上の施設を予約して利用することができる。料金は、混雑状況によって価格が変動できるダイナミック・プライシングが導入されており、施設側は状況に応じて新しい顧客を獲得しながら、稼働率を向上させることができる。フィットネスのライトユーザーは、自分のペースでより安価に施設を利用することができ、ヘビーユーザーは複数のジムを併用しながらトレーニングライフを充実できる。