23年10月スタートの「インボイス制度」はどう影響するか

2023年10月から導入される「インボイス制度は、登録を受けた課税事業者」のみがインボイス(適格請求書)を発行できる制度。

頼藤太希『大きな文字でとにかくわかりやすい 定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)

消費税の納税が免除される「免税事業者」との取引では消費税を控除(仕入税額控除)できなくなるため、免税事業者と取引をしない取引先が出てくる可能性があります。免税事業者のままだと、仕事が減る可能性があるというわけです。課税事業者の登録も法人化も手間は大差ないため、今後は法人が優勢になるでしょう。

個人でも法人でも、もしものときに備えて小規模企業共済に加入しましょう。小規模企業共済は、個人事業主や小規模な企業の経営者・役員などがお金を積み立てることで、将来事業を廃止したときの「退職金」が作れる制度です。掛金は月々1000円~7万円までで、500円単位で設定可能です。

小規模企業共済を優先して余裕があればiDeCoも利用

小規模企業共済はiDeCoと同様、掛金が全額所得控除の対象にできるため、所得税や住民税を減らすことができます。また、資金繰りが厳しいときや病気やケガをしたときにも貸付制度があるため、万が一のときにも役に立ちます。掛金納付月数が20年(240カ月)未満で途中解約すると元本割れしますが、廃業する場合は6カ月以上加入していれば元本割れしません。

小規模企業共済はiDeCoと併用することもできます。個人事業主でも会社設立でも、まずは小規模企業共済を最優先で活用し、余裕があればiDeCoも利用するのがおすすめです。

関連記事
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品
「申請を忘れると大損する」60歳以降の手取り収入を最大化する定年前後の「手当&給付金」全手続き
老後2000万円には「貯金なら毎月6万円」だが「新NISAなら月2万5000円」…富裕層が必ず資産運用をするワケ
年金新制度で「70代まで我慢」がしやすくなったが…それでもFPが「66歳から受給がベスト」という理由
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"