趣味を楽しむのにもってこいの職業

看護師って、趣味に力を入れている人が多いのです。「推し活」につぎ込む人もいれば、1年の半分を看護師として働き、残りは旅している人も。そして、ロリータをしている人もかなりいます。私もそのひとり。

なぜだろう? と考えて、気づきました。看護師は、趣味を思いきり楽しむのにもってこいの職業なのです。だって、

①国家資格をもっているので、一生食いっぱぐれない

全国各地でつねに求人が出ている状況ですし、それは、少子高齢化社会が進む今後も変わらないでしょう。

②フレキシブルな働き方ができる

契約次第で、非常勤で働いたり長期間の休暇をとったりと、時間的に融通がきく。高給を目指して夜勤専門で働く人もいます。

③健康管理に役立つ知識が得られる

体調を崩したときなど、自分で適切な処置をとれる。特に海外にいるときに自分で体調管理できるのは、モデルの仕事にも大きなプラスになりました。

④給料が高い→これはかなりポイント!

特に夜勤のある職場なら、若いうちから平均以上の収入を得ることもできます。私は夜勤のおかげで、ロリータファッションを全力買いできました。

つまり“時間とお金に融通がきく”ポイントがそろっているのです。結果論になるけれど、私がロリータ・モデルとの二足のわらじをはけたのは、看護師だったからこそかもしれません。看護師という職業は、厳しい実習を受けて国家試験に合格し、実務を積んで、険しい道のりを乗り越えなければたどり着けない、けれど、そのぶんの努力が報われる仕事なんじゃないかな。

「自分らしく自由に生きる」はきれいごとじゃない

社会人になって、もうすぐ20年。変わらずずっと思っているのは「自分で稼ぐ」のがものすごく大事だということ。

青木美沙子『まっすぐロリータ道』(光文社)

何度もお話しした“自分らしく、自由に生きる”ことは、けっしてきれいごとではなく、経済的な自立とセットだと思うのです。どれだけ夢見たって、現実はごはんを食べなきゃ生きていけない。そのうえ、趣味を誰はばかることなく思いきり楽しむには、プラスαでお金がかかります。そういう経済的な裁量を他人にゆだねてしまうと、何かの事情でそれがなくなったときに詰んでしまうかもしれない。

20歳そこそこで激務にもまれたから、着実にスキルを身につけて、早くから自分で稼ぐ方法を得ることができました。自分で自分の面倒を見られると思えたことが、人生のターニングポイントで毎度、選択肢を増やしてくれた気がします。私が今“自由”なのはきっと、二足のわらじをはき続けてきたことが根底にあるのです。

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