経済的に自立することが絶対に必要

ぐちゃぐちゃに思い悩んだ末、とにかくこの泥沼から脱出しなければ! と気力を奮い立たせました。いつまでもこんな苦しい状況につかっているなんてごめんです。まずは原点に立ち戻って考えよう。私はどうしたいの? →「子供のころからのあこがれ、看護師になりたい」「大好きなロリータを思いきり楽しみたい」。いろいろな雑念を取り払うと、シンプルにこのふたつの願いが残りました。

そうしたら次は、現実的な視点で見てみる。好きなことを続けていくには、経済的に自立することが絶対に必要です。残念ながら読者モデルは、それだけで生計を立てられる世界ではありません。だから、モデルたちも学生時代の趣味の延長という意識が強かったし、必然的にほかに本業を探そうとしていました。それでもなかなか就職には苦労していたようです。

それらを見聞きして考えました。若く体力のあるうちに国家資格をとり、しっかり働きつつ好きなことを楽しむのが私にとってはベスト。やっぱりこのまま学校へ通って、正看護師になる!

「自立できる方法」と「好きなこと」は別でいい

数年前、YouTubeの「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーが流行りました。それって現実的にはなかなか難しいし、必ずしも好きなことで生計を立てなければならない、なんてこともない気がします。自立できる方法と、好きなこと。両方を別々にもっていたっていい。むしろ、両方あることで生活の安定と潤い、どちらも手に入れられるのかも。よし、泥沼から脱出!

結論が出てからは、迷いなく正看護師への道を突き進むことができました。その後の短大生活は、勉強と実習とモデル活動で手いっぱい。大学生活につきもののサークル活動もしなかったし、友達と遊ぶ余裕なんてそうそうありませんでした。けれど、がんばった甲斐あって、20歳で無事に国家試験を通り、正看護師の資格を得ることができました。原宿からほど近い大学病院に配属が決まると、夢に見た看護師の一歩を踏み出したのです。