中学2年生のときクラスメイトから「ブス」と言われた
リサさんの父親は日系アメリカ人で、アメリカの大学を卒業した国際弁護士。母親も短大卒業後にアメリカに留学していて、そこで両親は出会ったそうです。
3歳上の兄は日本のインターナショナルスクールを卒業し、現在はアメリカの一流大学に留学中です。リサさんも兄と同じインターナショナルスクールに入学しますが馴染めず、7歳のときに公立小学校に転校。けれども11歳でまたインターナショナルスクールに復学し、今は日本の私立高校に通っています。
中学2年生の頃、クラスメイトから「ブス」と言われて顔のことを気にするようになりますが、「ブスで勉強もできなかったら、何も取り柄がなくなってしまう」と思って勉強に励むようになり、高校では特進クラスに進級。文化祭でも委員長になって活躍しました。
ただ、文化祭が終わってしまうと何もかもが嫌になり、学校を休みがちになりました。アイプチなどのメイクで少し気分は晴れたものの、メイクの限界を感じて、このままでは将来の見通しが立たないと思うようになり、「整形して顔さえ可愛くなれば将来も幸せになれる」と信じこむようになったのです。
期待値の高い環境で、兄と比較されるという強いプレッシャーのなかで育ったリサさん。勉強や文化祭を懸命に頑張りましたが、文化祭が終わってしまったことで一種の燃えつき状態になり、目標を失って顔にとらわれるようになりました。
「顔さえ良くなれば将来が開けるはずだ」という思い込み
思春期という大きな変化の時期に、自分のアイデンティティをうまく見つけられず、「顔さえ良くなれば将来が開けるはずだ」と信じることで自分を守っていたのでしょう。
リサさんには、若いときには誰もが外見を気にしがちだけれど、人の魅力は外面と内面による総合的なものであると理解してもらうことからはじめました。
メディアがつくり出す可愛さや美しさはいわば商業的な戦略で、真の美しさではありません。もちろん美しさを追求するのは人間の本能ですが、そこで言う「美しさ」は、決して外見だけを指すものではないからです。