対談テーマ5

子育てを通して見えてきた課題とは?

【福田】子どもには自分の価値観を押し付けたくないから、こういう子になってほしいという希望もないんだけど、ひとつだけ、どんな道でも自分で選べる子になってほしいとは思っている。「親に言われたから」「世間的に良いとされている進路だから」といった他人の価値観を尺度に人生を生きるのではなく、自分のやりたいことを自分で選択して、その道を自分で正解にしていってほしい。上の子は2歳で、今は自分の本能や欲求のままにピュアに突き進んでいるから、その熱量のままに生きていってほしい!

【高橋】うん、主体性を持って、自分で判断できる人になってほしい。自由に生きてほしいな、と思う。

【福田】でも、日本の公教育って、決められた正解にいかに早くたどり着くかに焦点をあてすぎているように感じる。物事には正解があって、みんなと同じであることが正しいことだと刷り込まれてしまう。それなのに、社会に出た途端に「あなたの強みは?」「あなたの個性は?」と問われるから戸惑うよね。1人目を産んだとき、今の日本の教育への疑問を強く感じたので、義務教育を変えていきたいなって思っているよ。

【高橋】子どもを産んだことで、新たなミッションが見えてきたんだね。

【福田】画一的な日本人像を壊していかないと、これから労働力や生産人口が減っていく日本の国力は低下するばかりだと思う。

【高橋】私は事業ミッションには変化はないけれど、育児を社会全体で考える必要性についてはよく考えるようになった。この間、近所の川で親ガモが子ガモ5羽を引き連れて泳いでいたのね。それを見て「ワンオペで5人とかめっちゃ大変。仕事なんて無理だな」って思った。でも、よく考えたら、生物にとっては、子孫を残すことが最重要事項。育児と仕事のあり方について、その光景を見てすごく考えさせられちゃって。子どもがいなければ、人類は絶滅するわけで、社会の中で育児をサステナブルな仕組みとしていくことが大事だな、と。

【福田】祥子ちゃんの育児支援の仕組みづくりについての発信、すごく共感してる!

写真=iStock.com/leekris
※写真はイメージです