好意を持ってくれる相手に対し、自分も好意を抱く
それはさておき、この「おかげさま」という言葉は、日本ではいまも生きていくうえで便利なコミュニケーションツールのひとつとなっており、ビジネスシーンでもよく使われています。
たとえば、何かのプロジェクトが終わったときの報告に、「おかげさまで、無事にプロジェクトを終えることができました」と、「おかげさま」とひとこと添えるだけで、相手に感謝の思いを伝えることができます。
さらに「ありがとうございました」を添えて、「おかげさまで、無事プロジェクトを終えることができました。ありがとうございました」とすれば、感謝の思いを伝える文書としては完璧でしょう。
仮に、「無事にプロジェクトを終えることができました」という事務的な連絡を受けた場合、相手は、ただ「そうか、終わったんだな」と事実を認識するだけに終わってしまうでしょう。
しかし、「おかげさま」を添えた文書を受け取った人は、感謝されていることに満足感を覚えますし、自分が好意を抱かれていることを認識します。
自分に好意を持ってくれる相手に対し、自分も好意を抱くのはいうまでもありません。逆にいえば、きちんと感謝の思いが伝わってこそ、相手もシンパシー(共感)を感じ、「これからも応援してあげよう」と思うようになります。
だから、「おかげさま」が大切なのです。