猫を増やさなければ、殺処分は少なくなる

石岡市に住み、ここでモコ先生を招いてTNR活動を続ける長谷川道子さんは、「『いらない』といわれる猫を減らしたい」と言います。

「かわいいかわいいと言って、無計画に子猫を産ませる人が少なくありません。でも、そういう人は猫をちゃんと育てているように見えない。いずれ大きくなると、いらないと街中や山中にぽんと捨ててしまうこともあるでしょう。だから、まずむやみに猫を増やさないことですよね。そうすれば殺処分は少なくなるのではないでしょうか。ここで『猫の不妊去勢手術を行います』と告知すると、たくさんの野良猫が運びこまれてきます。地域のみなさんは増えすぎた猫に困っているんだなと思います」

笹井恵里子『野良猫たちの命をつなぐ 獣医モコ先生の決意』(金の星社)

モコ先生もまた、不妊去勢手術を続けることこそが殺処分ゼロへの道と信じています。

(殺処分の数を減らすには野良猫に「不妊去勢手術」を行い、望まれない命・子猫が生まれないようにする必要がある。それは殺処分数がゼロになるまでやり続けなければならない。殺処分数がどんなに少なくなっても、たとえ1匹になっても、その1匹は殺されるんだから、その1匹の身になったらゼロを目指さなきゃいけない)

モコ先生はなぜそのように考えるようになったのでしょうか。それは幼いころから動物といっしょに生きてきたからです。かたわらにはいつも生き物がいたのです。

動物たちに囲まれて育ち、かれらを治したくて獣医師になったモコ先生。その原点をのぞいてみましょう。(続く。第2回目は15日土曜10時に公開予定)

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