2度の大病から学んだ「体の使い方」の大切さ
私は若かったころに二度、大きな体の不調に悩まされた経験があります。
最初は、バレーボールをしていた頃に患った腰とヒザの痛みが重症化したときです。痛みに耐えられず、いくつかの病院を訪ねましたが結局治りませんでした。その後、知人の紹介で元軍医の先生から施術を受けました。すると長年抱えていた痛みが一気に消えたのです。
二度目は30代のとき。鼠径部に良性のリンパ腫ができ、外科手術で腫瘍を取り除きました。すると、その2日後に左足の感覚がなくなり、車椅子生活を余儀なくされました。
原因は不明で「一生、車椅子生活になることを覚悟してください」と担当医から言われましたが、このときも元軍医の先生を訪ねて施術を受けたところ、半年間動かなかった左足の感覚が徐々に戻り、いまではなにも問題なく歩けるようになっています。
これだけ書くと「不思議な現象」のように思われるかもしれませんが、そうではありません。私は、これらの体験を通して「人体は、各部が独立して動いているのではなく、連動して機能している」ことを痛感し、認識しました。最初は魔法のように思えたことも、じつは理にかなった体を治す方法が存在していたのです。
普段の何気ないひとつひとつの体の動かし方が何十年も積み重なって、いまのあなたの体の状態があります。拙著も参考にしていただきながら、何気なくいつも通りの体の動かし方をするのではなく、長時間座っても疲れない理にかなった体の使い方を学び、目の前のことに集中できる環境を整えていってくださればと思っています。