食べ過ぎも座り方で抑えられる
座るだけで体を痛め、疲労をためてしまっている状況を改善するためには、座る前の体の動かし方、座った時の姿勢、立ち上がるときの体の動かし方が大切です。
立ち上がるときの体の動かし方については拙著に譲りますが、すべてに共通して言えることは、ナチュラルポジションを意識することです。
そしてナチュラルポジションを意識できると、食べ過ぎを防ぐことも可能になります。
体重が増加する要因の一つに食べ過ぎがあります。それを防ぐために食事制限を試みる方もいるでしょう。ですが結局、食欲を抑えられずに失敗するケースが散見されます。
そんなとき、「自分の意思が弱いからだ」と思い、自分にがっかりされる方もいるかと思います。
ですが、そんなふうに自分を責める必要はありません。
食事のときの座り方を変えることで、食欲はコントロールできます。過食は、意志の強さで抑えるものではありません。座る姿勢で抑えるものなのです。
食べ過ぎを防ぐ「蓮華座の姿勢」
動作解析の専門家の視点から見ると、食べ過ぎてしまうのは、浮遊ろっ骨が開いた状態で食事をとっていることが原因として挙げられます。
これを防ぐためにとるべき姿勢が「蓮華座」です。
骨盤を立てた姿勢で食事をすると、浮遊ろっ骨が閉じ、適量で満腹感が得られます。
まず右足の甲を左太ももの上にのせます。このとき、右足は体の中央に引き寄せず「回外」させます。つぎに右足を「回外」させた状態で左足を交差させます。このときに右足を「回内」させていると蓮華座が組みにくくなるので注意が必要です。これで完成です。
このとき、両足のヒザ上部分は回外しています。はじめは違和感や、股関節まわりや足首の硬さを感じると思いますが、慣れてくれば長時間同じ姿勢をしていても疲れを感じなくなるはずです。
日々の生活は当然楽しいことばかりではありません。食事制限を決意したとはいえ、私生活や仕事でストレスを抱えることもあり、そんなときに甘いものに手を出してしまうのは自然な行為です。
人間は欲望に負ける生き物であることを自覚し、だからこそ意志ではなく姿勢でコントロールすることからはじめてみてください。