スターバックスは「第三の場所」で勝負

このように「価格が高いor安い」という縦軸に、横軸を足すことで選択肢を増やし、競合より高い値付けをしても客離れを引き起こさないことが可能です。ではどうやって自社の2軸目を見つけるか、これが皆さんの関心事ではないでしょうか。

そのヒントは2軸思考の頭をもって世の中を見渡してみると身近に落ちています。競合よりも高い価格設定をしながらも、客数を確保している事例を見てみましょう。彼らもまた「2軸思考」を使っています。彼らの2軸目をじっと見ていれば、自社の2軸目に何を持ってくればよいかヒントをもらえます。

ヒント① スターバックスの「顧客軸」

スターバックスは横軸に「顧客軸」を持ってきています(図表4)。

筆者提供

具体的には、「サードプレイス(会社でも家でもない第三の場所)ありorなし」という選択肢を顧客に提示することで「コーヒーは高くてもサードプレイスでくつろぎたい」という顧客のニーズをがっちりつかんだ形です。従来の喫茶店が安売りコーヒーに振り回され閉店していく中、横軸に顧客軸を持ってくることで、安売り店とは一線を画し、たくましく稼いでいる好事例です。

モスバーガーがマックと共存できた理由

ヒント② モスバーガーの「商品軸」

モスバーガーは後発ながらマクドナルドとの共存に成功しました。マクドナルドに価格追随する競合を横目に、日本人が好む日本人のためのハンバーガーを作ると決め、パンをご飯に変えたライスバーガー、野菜たっぷりのハンバーガー等を開発。マクドナルドに価格競争に挑んだチェーン店があえなく敗れ去っていく中、商品軸で価格以外の選択肢づくりに成功し、マクドナルドより高い値付けでも顧客をがっちり掴んでいます(図表5)。因みに私がGSで使った2軸もこの商品軸です。

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