今すぐ使える「聞き方のあいうえお」

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』でした。

藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)

「好かれる人は聞き方が上手」と、よく言われます。では実際、どのような聞き方をすれば、感じがいい人になれるのでしょうか。本書では、心理学的な観点から、具体的な「聞き方の習慣」が紹介されます。

まず意識したいのは「聞き方のあいうえお」です。

「あ」は、「相手の目を見て」。相手の目を見て聞けば、「あなたの話に興味があります」と伝えることができます。

「い」は、「いい姿勢」。足や腕を組まず、前のめりの姿勢で聞くようにしましょう。

「う」は、「うなずきながら」。楽しい話題ならリズミカルに、深刻な話題ならゆっくりなど、話の内容によってうなずき方を使い分けるのがコツです。

「え」は「笑顔で」。「あなたに心を開いています」のサインとなります。

「お」は「終わりまで聞く」。話をさえぎることなく、相手のペースに合わせて最後まで聞くようにしましょう。

そのほか、相手に矢印を向けて聞くのも重要です。「自分が話したいこと」ではなく「相手が話したいこと」に重きを置くようにすると、自然と相手は心を開いてくれて、話が弾むでしょう。

コミュニケーション次第で、人間関係は良くも悪くもなるものです。仕事でもプライベートでも使える「聞き方の習慣」を、本書で学んでみませんか?

職場を「ゆるい」と感じて辞めていく若者たち

第5位の『ゆるい職場』にもご注目ください。

古屋星斗『ゆるい職場』(中央公論新社)

本書で紹介されているある調査によると、大手企業の入社1~3年目社員(大卒以上)に「現在の職場をゆるいと感じるか」を聞いたところ、約36%の新入社員が「職場がゆるい」と答えたことがわかっています。さらに、職場を「ゆるい」と感じている新入社員の離職傾向が強いことも明らかになっているそうです。職場を「ゆるい」と感じるほど優秀な新入社員が早期に離職してしまうのは、会社にとって大きな損失だと言えるでしょう。

著者は、新入社員の離職を防ぐためには「関係負荷をかけずに質的負荷をかけるアプローチが必要」だと指摘しています。つまり新入社員には、人間関係のストレスがかからないようにしつつ、難しい仕事を与え、成長を実感させる必要があるのです。「難しすぎる」「そんなの無理だよ」という声が聞こえてきそうですね。

この難問をクリアするヒントは、横の関係で育てること。若手社員のみ、もしくは若手社員が極めて多いチームを編成し、上司からの圧力を受けることなくのびのび行動できるチャンスを与えるのです。

数々の調査データや、若者たちの生の声がたっぷり紹介されている本書。「最近の若者はやる気がない」「新卒社員を採用してもすぐに辞めてしまう」と嘆く方に強くおすすめしたい一冊です。