毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、6月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
青い空とビジネスマン
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです

要約サービス「6月のビジネス書」ベスト20

第1位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第2位:『これから市場価値が上がる人』(北野唯我著、ポプラ社)
第3位:『否定しない習慣』(林健太郎著、フォレスト出版)
第4位:『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(藤本梨恵子著、明日香出版社)
第5位:『ゆるい職場』(古屋星斗著、中央公論新社)
第6位:『エレガントな毒の吐き方』(中野信子著、日経BP)
第7位:『自信をつける習慣』(内藤誼人著、明日香出版社)
第8位:『こじらせない心の休ませ方』(保坂隆著、大和書房)
第9位:『超現実的で超具体的なお金の増やし方』(ハック大学 ぺそ著、あさ出版)
第10位:『世界一やさしい「才能」の見つけ方』(八木仁平著、KADOKAWA)
第11位:『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(ジュリー・スミス著、野中香方子訳、河出書房新社)
第12位:『坊っちゃん』(夏目漱石著、出版社名なし)
第13位:『激変する世界で君だけの未来をつくる4つのルール』(尾原和啓著、大和書房)
第14位:『グッド・ライフ』(ロバート・ウォールディンガー/マーク・シュルツ著、児島修訳、辰巳出版)
第15位:『独学の地図』(荒木博行著、東洋経済新報社)
第16位:『あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール』(小倉広著、明日香出版社)
第17位:『心理的安全性 最強の教科書』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、東洋経済新報社)
第18位:『ファシリテーション入門<第2版>』(堀公俊著、日本経済新聞出版)
第19位:『いつも幸せそうな人の小さな習慣』(有川真由美著、毎日新聞出版)
第20位:『怒らない100の習慣』(戸田久実著、ヒダカナオト(イラスト)、WAVE出版)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2023年6月の閲覧数ランキング

「どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら…

今月の第1位は、2023年上半期の大ベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』でした。

安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)
安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)

著者はまず、本書の冒頭で「あなたの頭のよさを決めるのは他者」と指摘します。他者から「頭のいい人」と認められれば、周囲はあなたの意見に耳を傾けてくれるようになり、仕事が円滑なものになるのです。まわりを見渡してみても、きっと納得できるのではないでしょうか。

その上で本書では、コミュニケーションの黄金法則を7つ示してくれます。

とりわけ印象的なのは「人はちゃんと考えて“くれて”る人を信頼する」。例えばデート中、相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょう?

ここで「白かな」などと適当に答えるのはNG。「あなたのことをちゃんと考えているよ」という姿勢を見せるなら「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」がベストです。

「承認欲求を満たす側に回れ」も、ぜひ実践してほしい法則です。「自分の承認欲求を満たしたい」という気持ちを抑え、相手の承認欲求を満たす側に回ることが、信頼獲得の近道となるのです。

本書の著者である安達裕哉さんは「この本に書いてあることの殆どは、実は私が会社に勤めていたころ、上司や先輩に教わったことばかりです。ですから、読者の皆様の周りにも、こうした知恵はおそらく、たくさん転がっているのではないでしょうか」とした上で、「この本をきっかけに、身の回りにある『仕事の知恵』を改めて、見直していただく機会になれば」と話しています。本書の黄金法則を学びつつ、これまで教わってきた仕事の知恵を真摯しんしに実践すれば、ワンランク上のビジネスパーソンになれるでしょう。