京都人に学ぶ「エレガントな毒の吐き方」

最後にご紹介したいのが、第6位の『エレガントな毒の吐き方』。脳科学者の中野信子さんが、京都人の「イケズ」を取り入れた“エレガントな毒の吐き方”のお作法を教えてくれる、ユニークな一冊となっています。

中野信子『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)
中野信子『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)

SNSなどでしばしば「怖すぎる」「あまりにハイコンテクスト」などと話題になる、京都風のイケズ。一例として、隣家のピアノの音がうるさいときに使うとされる「お嬢さん、ピアノが上手どすなぁ」が挙げられます。

中野さんは、イケズは単なる意地悪ではなく、京都人のコミュニケーションの知恵だと言います。直接的に苦情を言うと人間関係にヒビが入りかねないため、褒め言葉の裏に真意を隠すのです。もし相手が「苦情を言われた」と認識したとしても、表向きは褒めているため、ケンカには発展しないのがポイントです。

今日から取り入れたいのは「おもしろい」というキラーフレーズ。「おもしろい」はポジティブな言葉ですが、京都風コミュニケーションではネガティブな意味で用いられます。「結婚しないの?」などといったセクハラ質問に対して「おもしろいことをおっしゃいますね?」と返してみると、相手はタジタジになるでしょう。

上司や取引先、配偶者の親族など、関係性を壊せない相手にやんわりと言い返したい――。そんなシーンで便利に使える“エレガントな毒の吐き方”、あなたもマスターしませんか?

今月も、話し方から貯蓄術、メンタルマネジメントまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。12位にランクインした『坊っちゃん』は、flier編集部がChatGPTと共作したものです。先月第10位だった『いつも幸せそうな人の小さな習慣』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

【関連記事】
残業はないのにメンタルがぐったり…誰もが憧れる「ホワイト企業」に入った人が抱える"つらさ"の正体
「娘が有名な栗のお菓子が好きだと話していたんですよ…」非常識な贈り物を催促してくる得意客のうまい扱い方
控えめな女性が30代で役員候補に…社会人10年目で大化けする"元・低評価社員"の特徴
「3億人の仕事を奪うAI」は無視できない…大学教員が「今すぐChatGPTを使いこなす力を身に付けよ」と勧めるワケ
仕事ができる人は知っている…「よろしくお願いします」より効果的なメールの締めのフレーズ