「必要とされる人」になるための工夫

第2位は、『転職の思考法』『天才を殺す凡人』などのベストセラーで知られる北野唯我さんによる『これから市場価値が上がる人』。

北野唯我『これから市場価値が上がる人』(ポプラ社)

ChatGPT時代に「これからどう生きていこう?」「市場価値を上げないと食べていけなくなりそうだ」と悩む方に、ぜひ読んでほしい一冊です。

著者の北野さんによると、市場価値の高いビジネスパーソンとは「どこに行ったとしても必要とされる人」のこと。では、どうすれば「どこに行ったとしても必要とされる人」になれるのか。そのためには、必死の努力はもちろん、自分なりの工夫が不可欠だといいます。

自分なりの工夫で一番手っ取り早いのは、タスクの時間を短縮すること。各タスクにかかる時間を定量的に把握する→データがたまったら分析し、ボトルネックを見つける→ボトルネックを解決する、という手順で取り組み、仕事の実行スピードを上げましょう。

本書ではそのほかにも、市場価値を上げる3つの思考法や、チームとしての価値を上げる方法、習慣の見直し方などが紹介されます。これから先、時代が変わっても「一緒に働きたい」と言われる人材であり続けたいなら、まず本書を読むことから始めてみませんか。

多くの人は無意識のうちに相手を否定している

第3位には『否定しない習慣』がランクインしました。

林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)

著者の林健太郎さんは、大手企業や外資系企業、ベンチャー企業、家族経営の会社など、さまざまな企業でのべ800人を超えるビジネスリーダーのコーチングを行ってきました。そんな林さんによると、多くの人は「否定しないで受け入れることが大切」と頭では理解しているにもかかわらず、無意識のうちに相手を否定してしまっているそう。そしてその結果、否定された相手は怒ったり、オープンに話せなくなったり、自己肯定感が低下したりし、自分と相手の間に信頼関係が生まれにくくなります。

本書で特に注目してほしいのは、否定しない技術のパート。能動的に黙る、相手の言葉を繰り返す、いったん「冷蔵庫」に入れるなど、具体的な技術がいくつも紹介されています。

一番簡単なのは、能動的に黙るようにすること。相手の言動に脊髄反射的に対応すると、ついつい否定になってしまうことも。そうした事態を防ぐために、言葉を返す前にブレーキを踏む、つまり能動的に黙るクセをつけましょう。

また林さんは、相手の言葉をさえぎる行為も一種の否定だと指摘します。相手が話し終わるまでじっと傾聴し、相手の話が落ち着いた後、気持ちを冷却してから話し始めるといいでしょう。

否定しない習慣をつければ、相手との関係性は良好なものになるはず。マネジャーやリーダーを務める方、必読の一冊です。