国籍はIDの一つにすぎない

藤原章生『差別の教室』(集英社新書)

入国審査などで「お前は何人だ」と聞かれたら、「日本人です」と答えますが、普段、日本人である自分を売りにしているわけではない。究極のところで、国籍はIDの一つにすぎない。

日本の歴史や日本人全般についての評判を受け止めるとき、それは国や総体という曖昧模糊もことした存在についての話であり、何も自分のことだと受け止めることはない。そこから一歩下がったところで、その属性やそれについてのイメージを眺めていればいいという態度です。

差別を乗り越えるために、人は国家や民族といった属性、人間集団からどこまで自由になれるのか。その問いを常に抱えて生きていくことが大事だと思っています。

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