GAFAMの決算は株価に正しく反映されていない

特に大企業の決算については、事前にアナリスト予想が公表されます。この「事前予想」が低すぎる場合、仮に減収減益でも、「事前に予想された数字よりは良い」と評価されやすくなります。

また各種メディアの見出しには「決算が事前予想を上回った」という表現がならびます。

そのため、実際には悪い決算でも、良かったように見える場合があるのです。

決算にはこうした「カラクリ」があります。それを踏まえると、GAFAMの決算は株価に正しく反映されていないと見たほうがいいと思います。

写真=iStock.com/Ca-ssis
決算にはカラクリがある(※写真はイメージです)

GAFAMは本当に成長株なのか

そもそもGAFAMはグロース株(成長株)なのか、それともバリュー株(割安株)、ディフェンシブ銘柄なのか。市場は判断に困っているのではないでしょうか。

もともとGAFAMはグロース株の代名詞でした。配当はゼロに近いのですが、株価の値上がりを期待されて資金が集まっていたわけです。

しかし、昨年からFRBがインフレ対策で利上げを始め、アメリカ株は下がり始めます。S&P500は約20%下落。ナスダック100は約29%下落しました。

一方、今年に入ってGAFAMを含むナスダック100はむしろ買われる動きが目立っています。

なぜでしょうか。

GAFAMはキャッシュリッチ、つまりお金をたくさん持っている企業です。インフレ率が高止まりし利上げが長期化する中、GAFAMは倒産の心配が比較的少ない企業、つまりバリュー株、ディフェンシブ銘柄と見られているのです。

しかし、GAFAMの株価はすでに高値水準にあります。今後の急成長が期待できないなら、株は買われ過ぎでしょう。

もしGAFAMをバリュー株と見るなら、改めてバリュー株としてのバリュエーションがなされるべきです。