「オプション取引」で過剰な資金が流入している

GAFAM株、アメリカ株が買われすぎているのは、「オプション取引」の影響も大きいと思います。

オプション取引とは、あらかじめ定められた期日に、定められた価格で株を買う権利(コールオプション)、あるいは売る権利(プットオプション)を売買する取引です。

株取引にはもともと信用取引というものがあります。要するに自己資本がなくても、自分の信用力の枠内でお金を借りて株を買える仕組みです。

信用取引の場合、日本では預けた担保の約3倍まで取引ができます。

しかし、オプション取引なら、もっと少ない資金で売買できます。そのため急速に人気が高まっています。

スマートフォンで金融市場を見るビジネスマン
写真=iStock.com/ArtistGNDphotography
「オプション取引」で過剰な資金が流入している(※写真はイメージです)

流動性が低下する時が危ない

しかもアメリカでは昨年から「0DTE(0 Day to expiry、ゼロデイオプション)」という、24時間以内に満期を迎える超短期のオプション取引が流行っています。

ただ、オプション取引とは、ある意味証券会社と顧客がそれぞれレバレッジをかけているようなものです。いわばレバレッジが2乗でかかっているのです。

少ない資金で取引できますが、実際に売買される現物株は巨額です。つまり、オプション取引によって、アメリカの株式市場には実態以上の過剰な資金が流入することになります。

資金に余裕があり、アメリカ株が上昇しているうちはいいのですが、流動性が低下し、株式市場に流入する資金が減少しはじめた時が問題です。

その場合、アメリカ株全体が大きく下落する可能性があります。S&P500やナスダック100などの指数も暴落するかもしれません。