ChatGPTは懐疑的に見たほうがいい
一方で、GAFAMはまだまだ成長するという見方もあります。
特にChatGPTなど対話型AIが、GAFAMを中心としたハイテク株を押し上げると見る人も多いでしょう。
ただ、私はある程度懐疑的に見たほうがいいと思っています。
AIという言葉が定義されたのは1950年代です。それから70年あまり経過し、ようやくある程度形になってきました。
ただ、現状のAIが本当に社会を一変するのかは、まだまだ未知数です。そうなるかも知れませんし、ならないかも知れません。
株式市場にはこういう新技術の話がよく流されます。もちろん株価を吊り上げる材料に使われるのです。
一例が一時話題になったNFTです。かつてはあれだけ話題になりましたが、いま活発に取引されているとは言えません。こうした話題は他にもたくさんあります。
もちろん、対話型AIが検索エンジンの性能を飛躍的に向上させるとか、かなり現実的な話題もたくさんあります。
しかし、それが株価や企業業績にどういう影響を与えるのか、それこそが重要なのですが、現時点ではまだわかりません。
「AIでGAFAM株が上がる」と決めてかからないほうがいい
私は近刊『大インフレ時代!日本株が高い』(ビジネス社)で、今後の注目分野として「無人化・省人化」をあげています。
AIの発展は、無人化・省人化につながるため、今後の有力な成長分野ではあると思います。
レジ打ちや簡単な事務作業などがAIで無人化・自動化された場合、企業はコストダウンによって儲かるかもしれません。
しかし、これはAIが人々の仕事を奪う社会の到来に他なりません。
失業率は高くなりますし、社会が不安定化することも考えられます。
そういう社会になった時に、経済全体が成長できるのか、株価にいい影響が本当にあるのか、長期的な視点では未知数な部分も多いのです。
それも踏まえて、AIの登場でGAFAMが成長すると決めてかからないほうがいいと私は思います。(後編に続く)