ひろゆきの1%の努力は常人の200%くらい

余談ですが、ひろゆきさんは著書『1%の努力』(ダイヤモンド社)を出版されていますが、あの本を見た時、見事なタイトルだなぁと感心しました。同時に、彼にとっての1%は、おそらく凡人にとっての200%くらいではないかと(笑)。彼はああいう人ですから、「自分はものすごい努力をしてきた」という雰囲気はまといません。実際、いわゆるガリ勉的に、勉強机にしがみついてきたわけでもないでしょう。

しかし、彼の「1%」を鵜呑うのみにしたら、凡人はまず浮かばれません。彼ほどの「持論」を持ち、膨大な情報を独自の視点で収集・分析できる能力を持っている人はそうはいません。彼を真似したいならば、まずその背景に、持論を磨くために常人には到底真似できないような膨大な努力があることも、しっかり理解しておくべきでしょう。既に名をせている料理人の1%と、凡人の1%は違うのです。

得た情報をどう組み合わせるのか

話が脱線しましたが、彼のような強烈な「持論」を繰り出す論客は、自分の「持論」を導き出すための検索ワードをしっかり持っています。「持論」なしの検索は、箸にも棒にもかからない無難な情報しか引き出せない。

橋下徹『折れない心 人間関係に悩まない生き方』(PHP新書)

そして、彼らがもっとも重視しているのは、「情報収集」そのものではなく、むしろその後のこと。「得た情報をどう組み合わせて、新しい価値に変えていくか」「オリジナルの持論として吐き出すか」という情報組み立て能力のほうなのです。

普通の人ならスルーしてしまうような情報も、彼らの情報センサーには、何かしらの「ざらつき」として引っ掛かります。そしてその「ざらつき」「違和感」をいくつも脳内に蓄えておくと、あるとき化学反応のようにそれらが結びつく瞬間がきます。「ざらつき」が「ひらめき」に代わる瞬間です。

「個性」とは「ざらつき」「ウイルスのスパイク」のようなものと述べましたが、ざらつきのある個性ある人には、情報そのものも、個性あるかたちで引っ掛かかってくる。そしてその情報が個性ある持論に発展する。

何事にもざらつきが重要なのです。

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