日本の産業界全体の成長機運が高まる

その結果、社会インフラが発展途上にある新興国で再生可能エネルギーを用いた発電が増えることも考えられる。そうした需要の獲得を狙って直接投資に拍車がかかり、自動車やエネルギー、バッテリーなど多くの分野で企業間の競争はさらに激しさを増すだろう。

ホンダとGSユアサに求められることは、世界の競合相手に引けをとらない規模とスピード感で原材料の調達、バッテリーの生産体制などを強化することだ。そのために、アライアンス体制はさらに強化されるはずだ。

今後、ホンダとGSユアサ以外の企業がブルーエナジーに出資を行い、車載用バッテリーの生産能力や研究開発体制が強化される展開も考えられる。海外への技術流出などに留意しつつ、政府はそうした取り組みをより積極的に支援すべきだ。このように考えると両社による高容量・高出力なリチウムイオン分野への投資は、わが国産業界全体で先端分野への投資が積み増され、より高い成長を目指す機運が高まる呼び水になると期待される。

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