祖父母の心配に、新米ママはイラっとする

孫の心配をする祖父母にイラっとするという、新米ママは多い。

“はじめに”にも書いたけど、「○○さんちの孫、10カ月なのにもう歩いてるのよ。最近の子は早いわね……ってか、この子、もうすぐ一歳なのに大丈夫なの?」なんて、娘や嫁に言ったりするのは、天下の御法度である。こんなこと、母親のほうがずっと心配してるはず。小さな発疹一つできても、大きな病気じゃないかと案じるのが、母心なんだから。

ここで年寄りが言うべきセリフは「大丈夫、大丈夫」しかない。もしも、実際に、足の様子などで、おかしいなと思うことがあったら、冷静にそれを告げて、急ぎ医者に見せる算段につなげるべきだ。

「気づいても口にしない」が必須マナー

黒川伊保子『60歳のトリセツ』(扶桑社)

根拠も解決策もないのに「大丈夫なの~」と言うのは、自分が安心したいだけ。それは、しちゃダメでしょ。そもそも、こういうことを言う人は、早く歩き出したら歩き出したで、「ハイハイを十分にしないと腕の力の弱い子になるって言うけど、大丈夫なの?」とか言いだすのである。

なんにでも心配を見出し、それを垂れ流すように言う人。親戚や、ときには友人にもいるでしょう? 本人は、相手を案じて言ってるつもりなんだろうけど、相手の不安を増幅させるだけで、なんの甲斐もない。

実は、60代でこれやっちゃう人、多いのである。60代は、気づきの天才だからだ。気づいた不安や不満のすべてを口に出していたら、人を不快にさせ、不安にさせてしまう。気づいたことのいくばくかを、相手をおもんぱかって、口にしない配慮。特に、子どもや孫に対するそれ。これは、60代に必須のマナーである。

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