ストゥーパ→卒塔婆→塔

中国語の外来語というと、日本語やヨーロッパの言語が話題に上ることが多いが、もちろんそれ以外にもある。古来、様々な言語が中国語に入ってきている。

橋本陽介『中国語は不思議 「近くて遠い言語」の謎を解く』(新潮選書)

例えば、仏教関係の言葉はインドのサンスクリットを漢語で訳したもので、「和尚」「釈迦」「阿弥陀仏」「菩薩」「比丘びく」など枚挙にいとまがない。

そして、それらは日本語にもそのまま輸入されている。東南アジア諸国を旅していると、ストゥーパと呼ばれる塔が建てられているのを目にする。このストゥーパを音訳したのが漢語の「卒塔婆」であり、それを略したのが「塔」だ。

「卒塔婆」というと、日本ではお墓に立てかけてある細長い板のイメージだけれども、もともとは建物の塔の意味なのである。

東京タワーは中国語で“东京塔 Dōngjīngtǎ”だから、「東京卒塔婆」である。

「葡萄」や「駱駝」なども、語源は正確にはわかっていないが、西方の言語を音訳したものと思われている。「獅子」もそうらしい。

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