業界内オークションの落札割合が悪化
実は最終的に3社目に決まるのですが、ひとつ飛ばして4社目の話を先にします。最後の会社は他の会社と違ってひたすら売却する車の状態を時間をかけて細かくチェックしていきました。他の3社の営業の方と私はかなり話し込んで短い時間の中で仲良くなったりもしたのですが、ここはとにかく売り物である車の状態だけを冷徹にチェックしつつ本部と連絡を取り合っていたのが印象的でした。査定額は305万円。いよいよ大台を超えましたね。
この一連の査定のやり取りの中で、各社からいろいろと情報をいただいたのでその話を先にします。冒頭で「中古車価格の暴落開始」という話をしましたが、実際、この車の買取価格はもし昨年夏だったらもっと高い価格になっていたようです。
買い取った車の流通は、買取業者が業界のオークションで売却してもうけを確定する(つまり買取専業会社と販売専業業者が業界の中で分かれている)というやり方が一番多いのだそうです。去年の夏は買い取った車の8~9割がオークションで落札されたので、買い取った段階でほぼほぼ会社としても利益が読めていたようです。
ところがこのところは異変が起きて、オークションで落札されるのが2~3割という状況すら起きているということです。背景としては販売会社の店頭に昨年夏に高値で仕入れた車が在庫としてダブついているせいで、新しいものを仕入れる体力が減っているのだというのです。
同じような車を抱えている業者の提示価格は低い
査定の話し合いの過程である会社の人が、私が売ろうとしている車とまったく同じ車種・色・グレードの車が中古車小売りの現場でいくらで販売しているのかを調べてくれました。走行距離5000kmでまったく同じグレード、同じ色の車が410万円、走行距離1万kmの車が405万円で販売されていました。
これが半年前だったら「もっと新車の価格に近かったはずだ」と言います。つまり半年前だったら460万円近くで売られていた中古車が、今は410万円ぐらいまで値下がりしてきたということです。
そしてこれは私が気づいたことですが、そのサイトは実は280万円という最安値を提示した会社の販売サイトだったのです。確かに販売部門ですでに2台の在庫を持っていたら、3台目はそれほど本気で取りにくることはないなと、今回の提示価格が低かった理由に納得したものです。