友人はムリに作らなくてもよい

読者のみなさんは、人間関係を思っている以上に複雑に考えているかもしれません。だから、気をつかいすぎて疲れてしまうのではないかと思います。

よくある考え方に「友だち100人できるかな?」というものがあります。たくさんの友だちを作れる人のほうがしあわせになることができ、友だちがいない人は孤独で、みじめな人生を歩まなければならないのだ、と思い込んでしまうのです。

もちろん、この考えは間違いです。

先ほど、人間関係は、うわべの薄っぺらいものでもいいのですよ、というお話をしましたが、もし友人がいないことに悩んでいるのなら、友人をムリに作ろうとしなくてもかまいません。

友人は作らなくともいいので、その辺にいる、ぜんぜん知らない人に話しかけてみてください。

それだけで、友人から得られるのと同程度の喜びや興奮、幸福などを感じることができますから。どういうことか説明しましょう。

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幸福感と友人の数は関係ない?

シカゴ大学のニコラス・エプレイは、イリノイ州のホームウッド駅を利用している通勤客97名にお願いして実験に参加してもらいました。

エプレイは、通勤中に知らない人に話しかけ、頑張って「近所の人と話をするように」とお願いしました(いきなり話しかけられた相手も、びっくりしたことでしょうね)。

目的地の駅に着いたところでいろいろたずねてみると、知らない人に話しかけても、平均して14.2分とわりと長く話すことができ、とても楽しく会話できたと答え、「しあわせで気持ちがよかった」と答えたのです。

たとえ知らない人とでも、ほんの少し会話ができれば、私たちは思いのほかハッピーな気分になれるんですね。

友人など作らなくとも気にしなくていいですよ、と私がアドバイスするのは、こうした研究が参考になると考えるからなのです。