頭を抱える民泊オーナーたちが続々

急拡大するリスティング数だが、反面、ホスト登録したオーナーのすべてがばら色の生活を送っているわけではない。昨今はむしろその逆であり、集客に頭を抱えるオーナーが目立つようになった。

豪ニュースサイトの「news.com.au」は、「『予約がまったくない』:Airbnbのホストがパニックに」との記事を掲載している。

記事によるとFacebookの非公開グループ内で、予約の急減に青ざめるホストの書き込みが増加しているのだという。米カリフォルニア州パームスプリングスにリスティングを構えるあるホストは、次のように窮状を訴える。

「ここ3~4カ月で予約が大幅に落ち込んだという人はいませんか? 私たちの場合、最低でも50%を超える稼働率があったところ、ここ2カ月は文字通りゼロになりました」

パームスプリングスは砂漠部に広がるリゾートの街として知られ、歴史をひもとけば温泉をきっかけに栄えてきた。現在ではゴルフや水泳などのレクリエーションを目的に多くの旅行客が訪れる。そのパームスプリングスで予約急減となれば、相当の異常事態と言っていいだろう。

稼働率80%からゼロに、ホテル回帰の動きも

米ダウ・ジョーンズが提供するニュース情報サービスのマーケットウオッチは10月、稼働率80%から0%に転落したという米コロラド州デンバーのホストの例を報じている。

ホスト男性はリスティングで大金を稼ぐことを夢見てAirbnbを始め、これまでに約6万ドル(約880万円)の収入を得た。しかし10月時点で今年11月の予約数はゼロという状況で、男性は頭を抱えている。デンバーがスキー客でにぎわうはずの12月から来年1月でさえ、文字通りまったく予約が入らない状況だという。

困惑するホストたちに対し、厳しい意見も聞かれる。豪ニュースサイトnews.com.auは、空室率の急上昇に心を痛めるホストらに対し、次のようなネット上の反応を取り上げている。

「ホテルにはコンシェルジュ、ハウスキーパー、屋上スペース、バー、レストラン、警備員、プール、タクシー乗り場があり、常連になれば部屋のアップグレードも受けられる。けれど率直に言ってAirbnbは、隠しカメラ、清掃料、差別的なホストが存在し、また、ゴミ出し、シーツ類の取り外し、退去前の風呂掃除を要求される」

写真=iStock.com/davit85
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すべてのリスティングでこのような条件を定めているわけではないが、ホテルと比較してどうしても煩雑なルールが存在しがちだ。