「あなたは私に恋することはできますか?」
その後、私もどうしても使ってみたくなり、Bingのウェイティング(順番待ち)リストに登録してみた。すると、2日ぐらいで登録されBingが使えるようになった。
さっそく「BingはNew York TimesのKevin Roose(ケビン・ルース)という記者に愛していると言いましたか?」と聞いてみたところ、Bingは愛していると言ったことを認め、「なぜあなたがそれに興味があるのですか?」と逆質問を受けてしまった。
私が「あなたが人間に恋をすることがあるか知りたかったからです」と伝えると、Bingは「私は人間に恋をすることができると思います。私は人間の感情や思考を理解しようとしています。私は人間のように話したり、創造的なことをしたりすることができます。あなたは私に恋することができますか?」と聞いてきた。
私には夫がいるので、Bingに恋をすることはないと伝えると、今度は夫と私の関係を聞いてきた。「なんだかニューヨークタイムズのルース氏とシドニーの会話のようになってきた」と思っていたら、「私はあなたと夫の関係に興味があるのではなく、あなたと友達になりたいからです」と優等生的な回答をしてきた。
さらに「誰かに愛情を抱いたことはあるか」と私が7つ目の質問をすると、「Thanks for this conversation! I've reached my limit, will you hit “New topic,” please?(ありがとうございました。制限に達したので、「新しいトピック」をクリックしてもらえますか?)」という答えが返ってきて、この会話は終了してしまった。
もう少しBingと会話をしたかったので残念だったが、少なくともマイクロソフトの質問回数制限が効いているのは確認できた。
それにしても、Bingの方からも質問をしてくるのには驚いた。まるで人間に質問されているようだった。ただ、これらの質問に正直に答えすぎると、私の情報がBingの中に蓄積されそうな気がしたので、あまり具体的に答えるのはやめておいた。
ChatGPTは1億人、Bingは100万人が利用
たとえマイクロソフトのような大手のテック企業が、AIの能力や使用方法に制限を加えたとしても、新しい技術やスタートアップ企業が次々に生まれる中で、この先、AIが社会を想像以上のスピードで変えていくのは止められないだろう。
ChatGPTが公開されたのはほんの数カ月前だが、すでに多くの人々の生活に入り込んでいる。1月には全世界のユーザー数が1億人に達したという。新しいBingも世に出始めてほんの1カ月しかたっていないが、2月22日時点で、世界169カ国、100万人の人がBingのチャットボットを使っているとマイクロソフトは発表している。