韓国の自殺率は、OECD不動の1位
一部の専門家たちがこの事実に気づいたのは、つい最近のことです。数年前から、自殺率データ関連でこの話が出てくるようになりました。韓国統計庁が発表した2021年死亡原因統計データによると、韓国の自殺率は、人口10万人あたり26人。
OECDの集計方式に合わせると23.6人です。一応、ここ数年間で少しずつ減ってはいますが、もうずいぶん前からOECD不動の1位です。同じくOECD基準だと、韓国以外に20人を超えるのはリトアニア(20.3人)だけです。
ちなみに、一時は日本の自殺率が世界でもっとも悪いようなニュースがよく流れましたが、いまはむしろ米国(15.2人)のほうが多く、日本は14.6人です。これでも結構高いほうではありますが。
相対的剝奪感が若者を死に追いやっている
国の「良からぬ」データが対外に流れるのを極端に気にする、韓国。「老人貧困」「出生率」そしてこの自殺率データは、政府レベルで様々な政策を出していますが、いまのところ目に見える成果はありません。でも、なんだかんだで、少しずつ改善はされています。一時は28人まで上がっていましたから。
しかし、その中、20代の自殺率が増えてきました。同じく世界最低とされる出生率問題もあり、青年自殺についてもいろいろと分析が出てきましたが、そのなかに「単に就職が問題ではなく、重要なのは相対的剝奪感か」という指摘もあり、ようやく社会的にも注目されるようになりました。
就職の可否、職業がどうなのか、所得など経済的条件だけでなく、不平等な社会構造による相対的剝奪感が、青年層の極端な選択に影響を及ぼす、と。