まずリーダー自身から変わるべき
では、具体的にリーダーは、どのように行動したらよいのでしょうか。
まず初めにすべきことは、リーダー自身のコミュニケーションのあり方を変えることです。リーダーがメンバーをコントロールするのではなく、まずはリーダー自身が、メンバーに対する接し方や働きかけ方を変えるのだという発想の転換が必要です。
まず初めにリーダーが変わらなくてはいけない理由は、大勢いるメンバーの意識や行動を変えることよりも、リーダーひとりが変わるほうが早いということもありますが、リーダー自身が「自分は変われた」という成長を実感して動き出すことで、メンバーの意識も変わっていくからです。
コミュニケーションが双方向であることも思い出してください。
そもそもリーダーの姿勢はそのままで、メンバーへの一方的な要求だけがキツくなったらどうでしょう。メンバーからすると、そんな理不尽な要求には応えたくありません。そうならないためにも、リーダー自身が先んじて変わることが必要なのです。
この前提に立ったうえで、次項から説明する信頼関係の構築方法を見ていきましょう
人との関係を良くするための基本心得
トヨタには、リーダーとメンバーの信頼関係を構築するため、基本とすべき人間関係の原則があります。それが、「人との関係を良くするための基本心得」です。
仕事ぶりが良いか当人に伝える
良いときは、ほめる
当人に影響ある変更は、前もって知らせる
当人の力をいっぱいに活かす
いずれも当たり前のことだと感じるかもしれませんね。とは言うものの、実際には、どれくらいできているでしょうか。
ここでは、基本である4つの心得が持つパワーを、実践的なテクニックを交えて解説していきましょう。