見えないところで仕事のレベル低下が起きる

コミュニケーションは、お互いの考えや感情を発信し、それを受容することで成り立ちます。ただ一方的に話しかけても、コミュニケーションは成立しません。

「顔色が悪く、声も普段より元気がないな」などと五感を使ったり、「最近は、休憩時間に談話室に行っていないみたいだな。以前はよく行ってたのに」などと、これまで蓄積した情報と照らし合わせてみたり。メンバーの発しているサインに気づき、ちょっとした変化を感じ取ることが、コミュニケーションのポイントです。

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また、より深いコミュニケーションをとるためには、心置きなく話せる信頼関係が必要です。

リーダーが信頼されていなければ、「あのリーダーは信頼できないから、レベルの高い資料をつくっても作業がムダになるかもしれない」とか「引き継いだ仕事でわからないところがあるけれど、リーダーには聞きづらいからごまかしておこう」ということが起こり得ます。

信頼関係や親密さが欠如した職場は、リーダーの見えないところで仕事のレベル低下が起きるのです。

親密さを深める速度には違いがある

ただし、信頼関係や親密さは、双方向のコミュニケーションによって徐々に醸成されていくものです。どちらかが一方的に追い求めて得られるわけではありません。

メンバーの中には、「仕事は真面目に一生懸命やるつもりだが、会社の人とは一線を引いた関係でいたい」という人もいます。逆に、どんどん踏み込んで来てほしいと思っている人もいます。心地よいと感じられる関係のあり方は、人それぞれです。

たとえリーダーが「みんなが遠慮なくものを言い合えるアットホームな職場」という理想を持っていても、メンバー全員が同じ気持ちであるとは考えにくいでしょう。

すぐに周囲と打ち解けて、すぐに安心して仕事に臨めるメンバーもいれば、心を開いて話せるようになるまでに時間が必要なメンバーもいるはずです。メンバー一人ひとりのスタンスを尊重し、双方向で信頼関係や親密さを深めていくことが大切です。