「これをするために生きているから、がんばれる」
さらに彼は、医療機器が生まれ販売されるまでの過程を知るべく、「時給1000円いただければいいので、ここで働かせてください!」と、医療機器メーカーに飛び込み、アルバイトを始めた。
もちろん、独自に医療デバイスの開発にも着手。学生団体の仲間たちと、がん患者の痛みをデジタル治療で解決する「X-pain」という治療アプリを開発。その成果が認められて慶應義塾大学医学部が主催する「第5回健康医療ベンチャー大賞」を受賞した。
また、最近では彼自身が開発しているプロジェクトが、久能祐子氏創設のPhoenixiインキュベーションプログラムに最年少で採択されたり、ファミリーヘルス財団、NPO法人ETIC.共催のVHA(Vision Hacker Association)にも採択されたりと、華々しい活躍ぶりだ。
「決めたことにストイックに取り組むこと、たくさん失敗する覚悟で新しいことにどんどんトライできることが、自分の強みだと思っています。なんでそんなに頑張れるのか? う〜ん、これをするために生きているから、ですかね」
10歳のときに心に灯った小さな炎は、今や使命感となって、田邉さんを前へ前へと突き動かしている。
大学6年生の夏
6:00 起床、朝食後、プロジェクト関連のミーティングなど
8:00 英語の勉強
9:00 授業
16:00 医学の勉強、食事など
19:00 プロジェクト関連のミーティング、タスク遂行
24:00 就寝
大阪大学 医学部5年生
田邉 翼さん
一般社団法人inochi未来プロジェクト推進委員
桐蔭学園中等教育学校卒