「無理な計画」になっていないかの確認を

最後に、持ち家購入を検討する際に、やっておかなければならないことと、やってはいけないことを述べておきます。

やっておきたいことは、これまで見てきたように、購入時と購入後にかかる費用のシミュレーションと、ご自身や家族のライフプランとのすり合わせです。住宅金融支援機構のHPでは、さまざまな前提条件で簡単に試算ができます。

住宅ローンの返済計画と、ご自身と家族の年齢を重ね合わせて、住宅購入後も子どもの教育費や老後資金のための貯蓄ができるかどうか、無理な計画になっていないかを確認してください。

「返済額を抑えるために変動金利」はNG

やってはいけないことは二つあります。一つ目が、住宅ローンを借りることを目的化してしまうことです。「欲しい」と思う物件が見つかり、「欲しい」という気持ちが高じてくると、「何が何でも住宅ローンの審査を通さなくては」と突っ走ってしまうケースがあります。

住宅ローンを借りるには、収入要件を満たさなくてはなりません。物件が高額になると、収入要件を満たすために、夫婦の収入を合算したり、返済期間を長くするケースが散見されますが、それに伴うリスクを理解しておく必要があります。前者については、妻が出産を機に離職して収入が減少するとか、どちらかが病気で休職をするとか、離婚に至るなどのリスクです。後者については、60歳以降もローン返済が続くリスクです。老後破綻といわれる状態は避けたいものです(※4)

もう一つのやってはいけないことは、月々の返済額を抑えるために長期で変動金利ローンを組むことです。たとえ問題なく住宅ローンが組めたとしても、今後の金利次第では、老後に至る前に家計が立ち行かなくなる恐れがあります。住宅ローンを利用した人のうち、銀行等の民間ローンを利用した人は69.3%で、そのうち変動金利を利用した人は83.4%です(※5)。変動金利で住宅ローンを組むということは、家計に地雷を埋め込んでいるようなものです。

現在、変動金利の基準金利(店頭金利ともいう)(※6)は2.475%ですが、実際には優遇金利が適用になり、もっと低い金利で借りている人がほとんどです。優遇金利の適用が期間限定の場合、金利が変わらなくても、いずれ基準金利に戻るため返済額はアップします。また、優遇金利が全期間適用になるとしても、金利が上昇すれば返済額はアップします。

※4 プレジデントオンライン〈「夢のマイホーム」で無理な住宅ローンを組んだために…想定外の老後破綻を招く”3つの落とし穴”とは
※5 不動産流通経営協会『不動産流通業に関する消費者動向調査<第27回(2022年度)>』より
※6 企業を対象とした融資に使われる「短期プライムレート」を基に決められる