空気を読まず、自分本位で踏ん張るほうが結果を出せる
自分の「特性」を知れば、その一部の欠点ともいえる「症状」には対応が可能だ。たしかに南雲さんがもつ才能、生み出す作品に光をあてれば、虚脱中の南雲さんも、どもっている南雲さんも、周囲の人たちは「こういう人だから」と受け入れやすい。
「発達障害当事者の人は、不器用に社会に合わせ、個性を殺すより、発達障害の良い部部分を社会に見せたほうがいい。場の空気を読まず、自分の直感を信じること。そして自分本位で踏ん張るほうが結果を出せるんです。発達障害全開のほうが社会とのトラブルが少なく、信頼につながることが多いのです」
本当はずっと嫌なことは嫌と言いたかった。子どもらしい振る舞いを許されたかった。誰かに命令されたくなかった。自分の好きなことだけしていたかった。その思いが、南雲さんの創設した「ドーユーラボ」に込められている。(第3回に続く)