原罪を解消する儀式「合同結婚式」
統一教会は、文教祖と妻の韓鶴子総裁を絶対的な「真の父母様」として崇める教団である。
その統一教会が最も重要視するのが、「合同結婚式」(国際合同祝福式・祝福)だ。
教団の教えでは、人類の始祖であるアダムとエバが、蛇の姿をしたサタンと性交したことにより、全人類に原罪が生まれたとしている。
その「原罪」を、神の下での祝福によって解消するための、教団の最高儀式が、「合同結婚式」である。
1960年に第1回目の合同結婚式が韓国で行われる。
それ以降、四十数回にわたり、韓国を中心に、世界各国で開催される。
日本からも信者が多額の献金を持参し、韓国で「祝福」を受けてきた。
1990年代には、芸能人や有名スポーツ選手の参加が報じられ、大きな騒動となった。
現在は2世信者同士がお見合い形式でマッチングされるケースも増えたが、90年代までは教祖が信者の写真を見てマッチングしていた時期が長く、会場で初めて顔を合わせるカップルがほとんどだったという。
教団内では「エバ国家である日本はアダム国家である韓国に尽くす義務がある」とされており、「従順な日本人女性と結婚できる」として、「にわか信者」となった韓国人男性とマッチングされた、というケースも多数報告されている。また、合同結婚式によって生まれた「祝福家庭」の2世信者には、自由な恋愛感情を抱くことすら禁じられるという。