頑張っているわが子を認め、褒める

中学受験の目標は、志望校に合格することだ。しかし、第一志望校に進学できる子は全体の3割に過ぎず、その他大勢の子がそれ以外に進学することになる。では、第二~四志望校に行くことになったら、受験は失敗なのかというとそんなことはない。

たとえ第一志望校に行けなくても、受験勉強の過程で身につけた学習習慣や知識はその後に生かすことができるし、目標に向かって努力した経験は一生の宝となる。あと伸びして、中学は第一志望の学校でなくても、その後、一流の大学に合格したという教え子はたくさんいる。

だから、中学受験で思うような結果が出なくても悲観する必要はないし、中学以降で伸びるための力を身につけることができたと胸を張って前へ進んでほしい。

だが、そういう気持ちになれるかどうかは、親の関わりにかかっている。「○○をやれば○○になる」という結果ばかりに目を向けられてきた子は、第一志望校に行けなかったとき挫折感だけが残る。

一方、成長のスピードはゆっくりでも「毎日勉強を頑張っているね」「前はできなかった問題が、こんなにスラスラ解けるようになったね」と日々の頑張りや成長に目を向けられてきた子は、「自分の努力は結果につながっていくんだ」ということを実感でき、たとえ第一志望校に進めなくても、「また頑張ろう」という気持ちを持ち続けることができるだろう。

中学受験で結果だけを求めようとせず、子供の成長や“偶然”を待てる親になってほしい。なぜなら、中学受験は人生の通過点の一つであって、ゴールではないからだ。締め切りや納期が決まっている仕事と違って、さまざまな偶然や本人の頑張りによって芽を伸ばしていく教育は、スピード感がまったく違うことをぜひ知っておいてほしい。

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