というのも、僕は芸能の仕事をしているので、仕事時間がバラバラで、仕事と仕事の間に急な空き時間が発生します。もし遠くに住んでいたら、喫茶店とかネットカフェに入って、暇をつぶすしかありませんよね?
でも家が近くにあれば、パッと家に帰って、好きなことができます。泥棒退治とか。
また、夜、急に仕事でチャンスが舞い込んだり、お酒のお付き合いに誘われたりしたときも、もし郊外に住んでいたら、「すみません、始発に乗ってもテレビ局に行けません」「終電があるので、飲みに行けません」と言って断らなければいけなかったかもしれません。
でも、僕が住んでいたところは、東京の都市部であれば自転車で20~30分ほどで行ける場所にありました。だから、仕事も人付き合いもどんどんできたのです。当時は名刺を渡されて「遊びに来てください」と社交辞令を言われたら、実際に自転車で会いに行ったりしていて、そこから仕事が広がることも結構ありました。
これも都心部に住んでいたからこそゲットできたチャンスだったな、と思います。
さらに、都心に住んだことで、節約になったこともたくさんありました。
まず自転車でどこでも行けるので、電車代が浮きます!
さっきも言ったように、時間が空いても喫茶店やネットカフェも使いません。
終電を逃しても歩いて帰れる距離だから、タクシー代もかからないし、ビジネスホテルやカラオケで一夜を明かす必要もなく、きちんと自宅で寝られました。
当時は遅くまで飲むことも多かったから、たぶんこれだけでも、毎月数万円は浮いたはずです。
ところで、みんなは普段、カフェ代にいくら使っていますか?
ときどき、毎日のようにカフェで時間をつぶしている若者を見かけますが、すごくもったいないと思います。
1杯350円のカフェラテだって、毎日飲めば月1万円くらいになりますよね。
「投資していたらどのくらいの利益があったかな」と計算するまでもなく、明らかな無駄遣いだ、と僕は思ってしまいます。
話を戻すと、このように仕事のエリアから離れて住むと、いろいろと余分な支払いが出てきます。
家賃を払いすぎないことは大事だけど、それで生活費が増えたら本末転倒!
住む場所を決めるときは、家賃だけでなく、いろいろなことをシミュレーションしてみましょう。
(構成/増田侑真)
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。