「示唆」を身につけるための2つの口癖
何かを学ぶ時、中でも特に「考える力」や「答えのないゲームの戦い方」、「示唆」など目に見えないものを学ぶ時に大事にしてほしいのが、口癖=自分に問いかける言葉です。
言葉が整うと思考が整う。
示唆を学ぶ上では2つの大事でセクシーな口癖があるので、覚えてほしいと思います。
いや、何かにつけて、カッコつけて、叫びましょう。
まず、1つ目は王道のフレーズです。
「示唆はファクトから言えること」
そしてファクトを見た時、グラフを見た時、文章を読んだ時、こうつぶやきましょう。
「何が言えるっけ?」
目の前に、親友のアッコが髪の毛をばっさり切って登場した時、「おー、ばっさり髪切ったね、かわいいね」で終わらせず、自分の中で何が言えるっけ? と叫ぶ。
「ばっさり髪を切った。このファクトから何が言えるっけ?」と思考を回転させ、無理やりでもいいのでこう続けてほしい。
「おー、ばっさり髪切ったね、かわいいね。なんか心境の変化あった? 失恋でもした? それとも、マラソンでも始めた?」
後半がまさに「示唆」に当たります。
本当かどうかは、聞くまでわかりません。
それが「示唆」というものなのです。
この口癖をスウィッチに示唆を出す。このファクトから示唆を出すんだ! と意気込んでほしいのです。
「見たままですが」という魔法の言葉
このように示唆を言えれば最高ですが、そう簡単に示唆は浮かびません。
また示唆を出すのが難しいファクトは、日々目の前に現れます。
その時にもう1つ口癖にしてほしい言葉が「見たままですが」です。
これは「ファクト」を「ファクト」として確実に認識し、示唆と区別するための言葉です。
示唆を言えるようになる前に、まず、しなければならないのは、ファクトと示唆を明確に分けることなのです。
それを僕は「ファクトVS示唆」と名付けました。
自分の発言がファクトなのか示唆なのかを区別できていますよ! という枕詞が「見たままですが」です。
このフレーズを置くだけで「示唆を言いたかったんだけど、浮かばなかったからとりあえずファクトを言うね」ということを自分の中で意識付けできる上、相手にもそれが伝わります。
さきほどの例でいえば「おー、見たままですが、ばっさり髪切ったね」です。
「見たままですが」→「何が言えるっけ?」のコンボになるわけです。
ビジネスシーンに置き換えてみます。
ミーティングで次のグラフがスクリーンに映し出されました。
あなたは参加者の中でもっとも下っ端であり、最初に発言するのが自然な流れだったとしましょう。
しかし、何も浮かばない、言うべきことが何一つ浮かばない。
その時にこう言うのです。
「見たままですが、売上が級数的(等比級数的)に上がっていますね」
「見たままですが」を付けずにいきなり「売上が級数的に上がっていますね」と言ったら、全員から「そんなもんは言わなくてもわかる」と突っ込まれるでしょう。
でも、「見たままですが」を付け加えることで間が生まれます。
それだけでなく「見たままですが」が口癖になっていると、それが「示唆」を導くためのスウィッチとなり、自分の思考が回転するのです。
加えて次の議論につなげやすくなるというメリットもあります。
間を入れても何も思いつかない時は、「見たままですが、売上が級数的に上がっていますね。ということは……○○さん、どう思いますか?」と違う人に託してもいいし、みんなで議論する方向に持っていってもいいでしょう。
この流れを覚えておいてください。
「見たままですが」→「何が言えるっけ?」
さて準備運動はここまで。
徐々に示唆の深い世界に入っていきます。