299万円と505万円に価格帯を二分する戦略

ボヤキはさておき、実車CX-60の出来がこれまた賛否両論です。

デザインは誤解を恐れずに言うならば同じFRレイアウトのBMW X3やメルセデス・ベンツGLCのマツダ版。

フロントの威風堂々感やロングノーズっぷりでは競合を上回っており、イマドキと言うより「21世紀の新古典」とも言うべきプレミアム風味。好きな人は好きですが人によっては時代遅れに見えるかも? という。

かたやインテリアは最初に出たディーゼルのXDハイブリッドは繊細かつリッチでイタリア車顔負けのタン色のスウェード内装(下左画像)か、日本の高級和装生地を応用したような淡いホワイト内装(下右画像)が選べて、まさにネオプレミアム! 特に後者は「欧米人がイメージする和の上質感」に満ち溢れています。

写真=筆者提供
高級感あふれるインテリア

同時にユニークなのがコストパフォーマンス戦略でこれまた小沢の予想を超える二刀流。価格表を見た時はあっと驚きの299万円スタートで一見激安戦略。ただしよく見ると極端に安いのは素の2.5リッター直4ガソリンモデルで内装もショボく、前述CX-60らしさが盛り込まれたXDハイブリッドはスタート価格505万円。

グレード展開を見ると500万円を境に、リーズナブルなお買い得ラインとハイブランドより安いもののリッチなプレミアムラインに二分されており、両者を内外装装飾でキッチリ作り分けているのです。

ネットでは「CX-60」といえば「硬め」に

肝心の走りですがこれまた予想外。3.3リッターディーゼルターボは6気筒エンジンならではのネットリ回転フィールに加え、最大出力254ps&最大トルク550Nmの余裕のパワー。

かたや車内音や乗り心地はあえてディーゼルサウンドを聞かせ、しなやかかつ硬めの足回りで勝負しており、これまた賛否両論。ネットで「CX-60」「硬め」で検索するといくらでも意見が出てくるのでわかるはずです。

個人的には疲れにくく酔いにくい走り味は好みですが、初期は硬すぎる嫌いがあり、これは4000kmも走るとかなり熟れてくるというのでそちらに期待している次第です。