捨てるかどうかの選択権は親にある
ただし親に対しては、そのメリットを伝えるだけでなく、大前提として心に留めておいてほしいのは、親の気持ちに寄り添うこと。やはり体調のこともありますし、生まれ育ったバックボーンも違うので、私たちの基準で進めてはいけないということです。
基本は親の話を聞いてあげる。「何か困ったことはない?」「困ったことがあったら言ってね」というのが第一歩です。そのうえで効果的な声かけをご紹介しましょう。
親に無理強いさせないために、まず「座ったままでいいよ」と声をかけます。またポイントは「捨てよう」ではなく「残そう」。たとえば同じようなフライパンが出てきたら「これ、どっちが使いやすい?」と聞くと、必ずどちらかを選びます。何を残すかを検討するための選択肢を提示することがポイント。
また近所なら「うちも粗大ゴミを出すけど、一緒に出すものある?」と言えば、ゴミが出しやすい。さらに、今は使わない仕事道具などが出てきたら「お父さんが頑張った証だもんね」といったん褒めて、手放してもらう。
「じいじのかっこいい服は残そう」。これも残したい物を選ばせるための声がけです。
これらは、すべて選択権は親にあり、何を捨てるかは親に委ねるための言い方になります。
絶対に言ってはいけない4つのワード
反対に絶対に言ってはいけないNGワードもあります。
実は私も親に対して「お風呂が汚い」と言ってしまって失敗しました。でも親は、もう目がよく見えていなかったんですよね。また「あとに残る人が困るから処分してよね」というのも言ったことがあり、寂しそうな親を見て、言ってはいけなかったと深く反省しました。
他にも、「押し入れや引き出しを開けることはないでしょう」とか、「二人暮らしなのにこんなに持ってどうするの」などもNG。逆の立場だったら、そんなことを言われたら心がかたくなりますよね。