平日は片づけを頑張らない
夫婦間に能力差がある場合、「気づいたほうが片づける」方式だと、能力の高いほうに負担が偏ってしまいます。
おすすめは、お互いが理想とする片づけの頻度を知り、その中間をとること。そして特定の曜日を決めて、1人ではなく共同で取り組みましょう。
例えば、片づけが得意で、妻が「毎日ピカピカにしたい」と思う一方で、夫は片づけが苦手で、なるべくさぼりたい。そんな場合には、夫婦で片づける時間を週末に1時間程度設け、平日は妻も意識的に頑張らないようにします。
仮置きのカゴを多めに設置して、平日はそこに投げ入れるだけでOKとするなど、意識的に「さぼるための仕組み」を作っていきます。
夫婦とも片づけをやりたくないという場合には、最低限週末の30分間だけ、片づけの時間としましょう。土曜のランチは出前を取り、浮いた時間を片づけに充てるなど、無理なく続けられる仕組みづくりが大切です。
「1つも無駄なモノが出ていない」レベルと、「ギリギリ掃除機がかけられるレベル」では大きな差があります。毎日完璧な状態を求めるのはハードルを上げすぎなので、「休日はピカピカにする代わりに、平日はギリギリ掃除機がかけられればOK」など、家族全員の期待値をすり合わせましょう。
週末にリセットすれば、金曜日は多少整っていなくても、お互い目をつぶること。赤ちゃんがいて毎日綺麗にする必要があるというご家庭も、家中を綺麗にしようと思わず、赤ちゃんが移動するスペースのみを綺麗に保ち、それ以外のスペースは「平日は散らかしてもいい」と許容するなど、メリハリをつけましょう。
片づけが苦手な人が掃除機をかける
株式会社日本リサーチセンターが全国の15~79歳の男女1200人を対象に行なった「家の掃除についての調査」(2013年)によると、リビングを週1回以上の頻度で掃除する人は、全体の半数程度。残りの半分の方は、週1回も掃除をしていないのです!
また、国際医療福祉大学が大学生に対象を絞って行った室内環境調査(2015年)では、大学生で毎日掃除をする人はわずか8%に留まります。
一人暮らし時代に掃除する習慣がなかった人が、家族と同居した瞬間に、毎日完璧な状態を保つというのは不可能に近いですよね。
そこで片づけが苦手な方に、休日に掃除機をかけてもらうのがベストです。
掃除機をかけない人は、床にモノが散らばっているとどれだけ邪魔になるか、想像できません。掃除機をかける人だけが床に置かれたモノが気になり、風呂掃除をする人だけが排水溝の髪の毛に目がいきます。
片づけを「自分事化」してもらうには、その場所に関連する掃除を任せるのが一番です。
ただし、最低限の掃除さえできれば、見た目の美しさは「自己満足」の領域。パートナーに自分の美的感覚を強要しないようにしましょう。
お互いに片付けの方法と頻度を腹落ちさせたうえで、納得感を持って取り組むのが、長続きの秘訣です。パートナーとの家事分担にモヤモヤしたら、まずは期待値のすり合わせから始めてみましょう!