診察が受けられる期間として、3カ月、6カ月などの期限を設けているところがほとんどだが、生活困窮状態が改善しなければ、再度申請して延長することができる。

また、薬代も無料にできる。病院外の調剤薬局で薬を買うと自己負担になるが、病院内で薬を渡せるようにし、薬代を無料にしている病院もある。

「リフィル処方箋」なら診察費が不要

医師が1度に出せるクスリは、最長2週間分という制約があった。

だが、20年前に原則として「無制限」に変更になった。

ただし、発売から1年未満の新薬は14日まで、向精神薬・睡眠導入剤・抗不安薬などはそれぞれ14日まで、30日まで、90日までという制限がある。

2022年4月から「リフィル処方箋」という新制度が導入された。症状が安定している場合に3回まで診察なしで、薬局で処方箋を書いてもらえる。

2カ月分の薬をまとめて「高額療養費制度」を適用

1カ月の医療費の自己負担には上限があり、それを超えた分は払わなくていい。これを高額療養費制度という。また、治療薬にも高額療養費制度が適用される。

肝臓病患者のAさんの場合、1カ月の薬代は5万円だ。ただAさんは住民税非課税者だったので、自己負担限度額は1カ月あたり3万5400円。

Aさんは、あることに気づいた。2カ月分の薬をまとめてもらえば、高額療養費制度が適用されて、10万円(月5万円×2)の薬代が、3万5400円の負担ですむのではないか。

医師に相談してみると、OKがでた。病状が安定しているからだ。

このやり方でAさんは、金銭的負担を半減しただけでなく、通院時間を節約し、むだな体力の消耗を回避できた。